医療安全管理
患者さま相談・支援

当院には、患者さま・ご家族と医療者の双方の意見を聞き、関係構築を図っていく「医療メディエーター」が勤務しています。
以下のとおり、患者さま・ご家族からの相談に応じています。

場  所1階正面玄関 「患者さま相談・支援室」
受付時間月曜から金曜日まで(祝日除く)9:00~15:00
医療安全管理指針(抜粋)
1.基本的な考え方

当院の使命は、キリストの愛の精神に基づき、質の高い医療を患者に提供することにあり、医療従事者には、患者の安全を確保するための不断の努力が求められている。
医療安全活動においては、「人間は誰でも間違える、しかし間違いを防ぐことはできる」という観点に立ち、個人の責任の追及ではなく、安全管理システムの不備や不十分な点に注目し、その根本原因を究明し、これを改善していくことを主眼とする。このような考え方のもとに、それぞれの職員の個人レベルでの事故防止対策と、病院全体の組織的な事故防止対策の二つの対策を推し進めることによって、医療事故の発生を未然に防ぐ。また、医薬品安全管理、医療機器安全管理、診療放射線安全管理および、患者・家族からの相談への対応を、適切に行う。

本指針の目的は、これらの取り組みによって、患者が安心して安全な医療を受けられる環境を整えることである。

2.医療安全管理に係る役職および職種

(1)医療安全管理責任者

(2)診療用放射線安全管理責任者

(3)医療安全管理者

(4)医薬品安全管理責任者

(5)医療機器安全管理責任者

(6)医療メディエーター

3.医療安全管理の組織および体制

当院における医療安全管理対策と患者の安全確保を推進するために、本指針に基づき以下の組織を当院に設置する。
なお、各組織の詳細については、別に定める。

(1)医療安全管理対策委員会

(2)医療安全管理チーム

(3)医療安全対策実行チーム

(4)診療用放射線・MRI安全管理チーム

(5)医療事故対策会議

(6)医療事故調査チーム

(7)患者さま相談窓口

4.医療安全管理のための方策 (1)報告などに基づく医療安全対策

① 情報収集

インシデントあるいはアクシデントが発生した場合、速やかに「インシデント・アクシデントレポート」あるいは「事故報告書」を提出し報告する。
この報告の目的は、当院における医療事故や危うく事故になりかけた事例等を検討・分析し、医療安全を確保するためのシステムを改善すること、および、教育・研修の資料とすることである。

医療安全管理者は、上記レポートによる報告の他、院内巡視の結果や各委員会からの情報、患者・家族からの相談・苦情などより院内の情報を収集する。さらに、各種の院外情報の収集も行う。


② 事例分析

医療安全管理チームは、レポート等から収集した事例について、疫学的・統計学的に分析し、院内における医療安全確保に必要な情報を見出す。医療事故防止及び再発防止に資する事例について、必要に応じて各種分析手法を用いて分析を行う。


③ 対応策立案

医療安全管理チームは、事例分析とともに医療安全に関する情報・知識を活用し、医療安全管理対策委員会と連携して、医療安全確保のための対応策を立案する。


④ 伝達と周知

医療安全管理チームおよび医療安全対策実行チームは、決定された対応策などについて、各部署責任者への伝達を行い、職員全体への周知を図る。


⑤ 評価

医療安全管理チームは、医療安全管理対策委員会・医療安全対策実行チームと連携して、対策実施後の成果について評価し、評価に基づいた改善策を検討・実施する。



(2)医薬品安全管理

① 情報収集

医薬品添付文書の情報のほか、医薬品製造販売業者、行政機関、学術誌等からの情報を広く収集し管理する。また、院内での副作用等の発生について把握する。


② 伝達と周知

得られた情報のうち必要なものは、当該情報に係る医薬品を取り扱う職員に迅速かつ確実に伝達し、周知徹底を図る。



(3)医療機器安全管理

① 医療機器の保守点検

自らが管理する医療機器の年間保守点検計画書を策定し、適切に実施する。また、保守点検を外部委託する場合、保守点検の実施状況等の記録を保存し、管理状況を把握する。


② 添付文書等の管理

医療機器の添付文書、取扱説明書等の医療機器の安全使用・保守点検等に関する情報を整理し、その管理を行う。


③ 医療機器の安全使用のための情報収集

医療機器の不具合情報や安全性情報などの安全使用のために必要な情報を収集するとともに携わる者に対して適切に提供する。


④ 管理者への報告

自らが管理している医療機器の不具合や健康被害等に関する内外の情報収集に努めるとともに、管理者への報告等を行う。


(4)診療用放射線安全管理

被ばく線量の管理及び記録その他の診療用放射線の安全利用を目的とした方策を実施する。

① 線量管理

放射線診療機器等の線量を評価し、最適化の検討を行う。


② 線量記録

放射線診療機器等の線量を適正に管理するために、放射線診療を受ける者の被ばく線量等を記録する。


③ 放射線診療機器の保守点検

管理する放射線診療機器の年間保守点検計画書を策定し、適切に実施する。また、保守点検を外部委託する場合、保守点検の実施状況等の記録を保存し、管理状況を把握する。


④ 放射線診療機器の安全使用のための情報収集

放射線診療機器の不具合情報や安全性情報などの安全使用のために必要な情報を収集するとともに携わる者に対して適切に提供する。


⑤ 管理者への報告

管理している放射線診療機器の不具合や健康被害等に関する内外の情報収集に努めるとともに、医療安全管理者への報告等を行う。


5.医療安全管理のためのマニュアルの整備

職員が、各業務における医療安全管理対策を共通認識し、統一された手順で実施することができるように、医療安全管理チームは、他委員会や各部署と連携して、各種マニュアルを整備する。マニュアルは必要に応じて見直し、新しい知見に基づいて改善する。

6.医療安全管理のための職員の教育と研修

(1)医療安全対策

(2)医薬品安全管理

(3)医療機器安全管理

(4)診療放射線安全管理

7.医療事故発生時の対応

(1)医療側の過失によるか否かを問わず、患者に望ましくない事象が生じた場合には、可能な限り、まず、当院内の総力を結集して、患者の救命と被害の拡大防止に全力を尽くす。また、当院内のみでの対応が不可能と判断された場合には、遅滞なく他の医療機関の応援を求め、必要なあらゆる情報・資材・人材を提供する。

(2)この目的を達成するため、事故の状況、患者の現在の状態等が、所属長、医療安全管理責任者、医療安全管理者を通じてあるいは直接に病院長等へ迅速かつ正確に報告され、必要に応じて、医療事故対策会議および医療事故調査チームが開催される体制をとる。

(3)医療安全管理者は、病院長の指示の下、院内の関係者の事故対応についての支援を行う。また、事故によって生じる他の患者への影響拡大を防止するための対応等を行うと同時に、関連機関への対応や事故に際し、病院が社会的責務を果たすための支援を行う。

(4)予期せぬ死亡事故が発生し、医療事故調査制度における事故の対象と判断した場合、医療事故調査支援センターへ事故が発生したことを速やかに報告し、調査結果も報告する。

8.患者さま・ご家族等からの相談への対応

医療安全管理科に「患者さま相談窓口」を設置し、医療メディエーターが、患者・家族等からの相談に適切かつ迅速に対応する。また、相談により患者・家族等が不利益を受けないようにする。

9.患者・家族等との情報共有および指針の閲覧

患者・家族等からの医療安全管理についての質問には、積極的に情報を開示し、共有するよう努める。

医療関連感染対策に関する取組事項
1.医療関連感染に関わる安全管理の基本的な考え方

医療関連感染対策は、患者さまに、適切で安心・安全な医療を提供するために欠かせないものです。当院では、職員全員が、当院に関わる全ての方々を対象として、医療関連感染対策に取り組んでいます。

2.医療関連感染管理の組織および体制 (1)感染制御チーム(Infection Control Team : ICT)

感染対策に関する専門的な知識を持った医師、看護師(専従の医療関連感染管理者)、薬剤師、臨床検査技師により構成され、チームメンバーが中心となって発生予防および拡大防止対策を行っています。 また、他医療機関とのカンファレンスに参加し連携を図っています。


(2)医療関連感染対策委員会(Infection Control Committee : ICC)

病院長を中心として、毎月、医療関連感染の発生予防および拡大防止対策に関する審議を行い、具体的対策について決定します。


(3)感染対策実行チーム

ICCの実働部隊として、ICCで決定された事項を現場で実践しています。


(4)環境整備科

院内の専門的な清掃、清潔管理を実践し、安全で快適な療養環境を提供しています。


3.感染症の現状についての情報共有

細菌・ウィルス等の検出状況について、感染情報レポートの院内各部署への配信や、ICCおよびICTでの確認を行い、病院全体で情報共有しています。


4.医療関連感染対策推進のための基本的な取組事項

(1)最新のエビデンスに基づいて整備された医療関連感染対策マニュアルを各部署に設置し、職員はこれに基づいて感染対策を実施します。

(2)医療関連感染対策の基本的考え方および具体的方法について、定期的に職員研修会を実施し、職員に周知徹底を図っています。

(3)薬剤が効きにくい細菌の発生を予防するため、抗菌薬使用状況を把握し、適正使用に努めています。

(4)医療関連感染サーベイランスを実施し、医療関連感染の発生頻度を把握します。日常的な頻度を超える事を早期に発見し、伝播の拡大や患者の重症化を防止します。

(5)感染対策ラウンドを、週1回程度、ICTを中心としたメンバーで行います。ラウンドにより得られた課題に対して対策を検討し、実施します。


5.医療関連感染発生時の対応

医療関連感染発生やアウトブレイク時は、速やかに感染拡大防止対策を行い、収束を図ります。ICTとICCは、発生原因を究明し、感染対策を立案して、職員へ周知徹底します。
また、届出が必要な感染症の場合は、長崎市地域保健課へ報告を行い、連携をとって対応します。


(1)医療関連感染:病院内で獲得した感染のみでなく、すべての医療の提供により引き起こされた感染を対象とします。


(2)当院に関わる全ての方々:外来・入院中の患者さまだけではなく、ご家族、面会者、医療スタッフ・ボランティア・訪問者・業者など、病院に係わる人すべてが含まれます。


(3)他医療機関:重工記念長崎病院、済生会長崎病院、三原台病院と感染対策地域連携を取っています。

新型インフルエンザ等対策業務計画及び診療継続計画[要旨]